植物は面白い
植物は面白いです。合理主義者で常に最適化を繰り返しています。植物の進化を学んでいると、日常にも転用できそうなアイデアが浮かんできます。
稲垣栄洋さんの世界史を大きく動かした植物という本が非常に面白く、勉強になります。
例えば(→以降は僕が勝手に考えた転用です)
・双子葉類から進化したのが単子葉類であり、この進化は単子葉類がとにかくスピードに対応した植物になろうとしたから。
→重視するものが変わっているのに同じままでいてはいけない
・コメが貨幣として利用されたのは、長期間の保存、長距離の輸送ができたから。
→信用の法則。場所が変わっても、時間が経っても不変なものに人はお金のような価値を見出す。
・植物の毒成分は外敵に葉を食べられないようにするために生産される。しかし、毒成分を生産するのも簡単なことではない
→ストレス発散で悪態をつくのにも頭や体のリソースを使っている。
・ジャーマンポテトは広島焼きと同じで余所者が勝手に読んでいるだけ。
→他者のオリジナルをレッテル貼りすることで、顕在化させることができる。プラスのレッテル貼りがジャーマンポテトの普及なら、マイナスのレッテル貼りは悪口。
他にも、コショウ、ジャガイモ、トマト、チャ、ダイズなど日常の食卓に並ぶものを、歴史的、地理的観点から学ぶことができます。
歴史と地理を掛け合わせたのが、本書です。知識の粒度としては、雑学と教科書の間を埋めるところに相当します。
学びの例として、雑学の列挙のような書き方をしましたが、実際には歴史と地理がうまく絡んだ非常に面白い文章です。
読んだ後には、出てきた植物を見る視点が変わり、ちょっとだけ日常が楽しくなります。