母の日
今週のお題「母の日」
母が最近ひとり旅にこっているらしい
旅先の写真がしばしば送られてくる
自分はその写真に感想を述べる
「いいね」「すごい」
思えば自分も大人になるまで、何かあれば逐一母に報告していた
その度に母は
「いいね」「すごい」
と言ってくれた
母はどんな気持ちだったのだろうと考える。
子どもが報告することは大概ちっともすごくない。心にもないことを言っていたのか
SNSの「いいね」も本当に「いい」と思って押している人が何人いるのだろうか。相手を喜ばせるため、心にもないことをいう。それと同じなのか。
違いますよ、と。
親子とSNSを介した友だち。
エピソードの深さが違いますよ、と。
何もできなかった、がきんちょの自分が、友人つくり、遊びに行く。親元を離れ、ひとりで暮らす。
何かをした、という結果よりもそこに至るまでの物語を知っているから、「いいね」と言ってくれたんですよ、と。
自分の時間を犠牲にして、母親という役割を当たり前のように全うしてくれた母。
その物語を知っている自分
今、母が旅行をして、送ってくる写真
どんな写真であっても自分の感想はこれしかない
「いいね」「すごい」