Constant dropping

PM(プロジェクトマネージャー)の日々

2008年の本を読み、歴史を学ぶ

本書は、痛くない注射針でおなじみの岡野工業の岡野さんのお話である。

2008年に発売された本であるが、現在にも通ずることがあり、歴史は、現代版にアップデートされて(らせん状に繰り返され)いることを感じた。

例えば、

  • 全財産を失っても、自分の技術があれば、また稼げる。
  • 人付き合いにはどんどん金を使え。

この辺は、ホリエモンのあり金は~の話と似ているし、

  • 技術がある程度まで行ったら後は勘

といったことや、遊びで培った感覚や義理人情に基づいて、ものごとを判断している点は、山口周さんの世界のエリートはなぜ~の問題解決における美意識の話にも通ずるところがある。

 

概要

実社会でいかに生き延びるか、がメインテーマとなっている。勉強よりも世渡り力だ、というタイトルであり、人生経験を通して身に着けた人当りのセンスや、それらをつかって、人付き合いをしていく中での情報が大事である、ということで述べていた。

 

しかし、勉強のそのものの批判ではなく、筆者は、金型の技術を基礎から深く学んでおり、同時に技術に対する深い知識、情熱も大事にしている。確かな技術力の人生経験で身に着けた自分なりの美意識を掛け合わせる、ということのように感じ、現代にも活かしていけると感じた。

 

以下、込み入った感想

スティーブ・ジョブズのconnecting the dots を人付き合いにおいて実践している人のように感じた。気前よく、義理堅く、恩は忘れない。ギバーよりのギブアンドテイクの精神を持っている。

 

序盤では、人付き合いして、独自の情報を持っている人が勝つ、ということであったり、やめさせたい社員をうまいことやって自分から辞めるようにした例などが述べられていた。

 

自分には、こういったことを勉強じゃなくて世渡りだ、と言われてもなんだがすっきりしない気持ちになった。憎まれないすれすれで自分の思い通りに相手を動かして、ビジネスを進める。うまいこと自分を演じて、相手を自分の土俵に立たせる。

 

すっきりしないが、このような考えの存在を知ることができ非常に勉強になった。