モモと自刈り
ミヒャエルエンデのモモを読みました。
僕はこれまで、「時間」、「聞き上手」という漠然とした内容しか知りませんでしたが、読んでみると、もっと明確なメッセージがありました。考えさせる余白があるというより、ストレートにひとつのテーマが伝えられています。
そのテーマは自分の時間を生きるとはどういうことか、ということです。
以下、本書で述べられていることで、
時間は心と結びついている。あくせく、時間を節約しても、心が乾いていれば、一向に自分の時間は増えない。
コミュニケーションや想像、妄想、自分で何かを生み出すプロセス。
時間は心の潤い。心の潤いは感性。美しい花、音楽、そう言ったものも気がつける自信の内側の能力。
以下、僕の感想です。
心に響く状態が自分の時間を生きている状態。量ではなく、質が大事で、さらに質は原始の感性によって高められることだと思います。
原始の感性は、世の中のありとあらゆる刺激に受動的にならず、自分で何かをすることではないかとも思いました。
読了後、思い切ってバリカンを手に取り、自分で髪を刈ってみました。プロには到底及びませんが、自分が徐々に上達していくことに、どこか充実感が感じられ、心が少し潤いました。
お金と時間を使えば大体のことができる今日です。ですが、あえて、下手でも、不完全でも自分でやってみることで、わかってくること、感じられることがあると、そう信じています。